フィジカル面の強化

サッカーW杯は日本の敗退により、国内は一気に盛り下がってしまっている。
(まぁ、負ければ盛り下がってしまうのは当然のことだが…)

ラグビー日本代表も先日の土曜日のフィジー戦でパシフィック5ネーションズが終了した。
4戦全敗である。

さて、この2つの競技に共通することはなんだろう??

①フィールド競技であるということ
②芝の上での競技であるということ
③球技であるということ
④間欠的に走り続ける競技であるということ
⑤相手選手との身体の接触があるということ
⇒もっとも、これについてはラグビーはがちがちにコンタクト、サッカーはボールを奪う際のポジショニングの際のみの接触であるが。
⑥得点競技であること
⑦オフェンスもディフェンスもしかければならないこと

…など挙げたらきりがない。
もちろん、多くの共通点はあるものの、全く違うスポーツであることは誰の目にも明らかなことだ。

さて、この中で⑤に注目したい。
上記のサッカーW杯のブラジル戦後のジーコのコメント、またラグビーのパシフィック5ネーションズを通しての監督・コーチなどのコメントなどから分かるように、必ずと言っていいほど
“フィジカル面の弱さ”
が敗因の一つに挙げられている。

これっていつから言われてること??
昨日今日に言われ始めたことではないはずだ。
サッカーであればそれこそ、W杯に出られなかった時期、ラグビーであっても国際試合を経験するごとに言われていることなのではないだろうか?

では、なぜ改善がないのだろう?
フィジカルが弱いなら、計画的に強化するしかないのだろうか?
監督が変わろうが、選手はあまり変わらないのであるから、継続強化の必要があるのではないだろうか?
フィジカル面の強化と言って思い浮かぶことはなんだろう?
筋力トレーニング,ウエイトトレーニングではないだろうか?
俺が、トレーニング指導を専門に職業として考えているから、こういうことを言うわけではないがやはりフィジカル面が劣るなら、“強化!”じゃないのか!?

フィジカル面で劣るから、じゃあスキル・技術でカバーだ!
スピードでカバーだ!走り勝とう!
なんてことが言われる。
でも違うんじゃないだろうか?

スキル・技術でカバーする?
⇒スキル・技術を向上させるのは当たり前じゃないか?ロナウジーニョぐらいのレベルの選手が何人もいるなら、それでいけるだろう。でも現実的ではない気がする。

スピードでカバー?
⇒サッカーやラグビーでトップスピードで走る場面がどのぐらいあるだろう?競技の場面で見られるスピードの差などコンマ何秒の世界だ。もちろん、そのコンマ何秒が相手を抜き去れるか、振り切れるかが決まるのではあるが。

走り勝つ?
⇒当たりの強い相手と戦っていると疲労はそれだけで並大抵ではないと聞く。それに対して走り勝つというのは、相当な走量が必要だろう。また、ラグビーなんかはオフェンスは当たらないように走り回ることが可能かもしれない。しかし、ディフェンスをしなくてはならない。ディフェンスするということは必ずコンタクトが必要だ。


野球のようなノンコンタクトで、スキル・技術が高レベルにあれば海外の選手と十分に戦えることは今春のWBCで証明された。

しかし、フィールドスポーツのどうしても体の接触が避けられない競技というのは、やはりフィジカル面の強さが必要だろう。
走るにしても、高レベルの技術を発揮するにしても、相手に押されていては結局同じだ。

フィジカル面の強化。
筋力トレーニングの必要性・重要性を感じ、取り入れてもらうことを切に願うばかりだ。

それが、俺自身の職業的価値の確立に繋がることにもなるのだから。