集団の知恵

一握りの数人から成るの秀才たちと、数百・数千の凡才の集団、どちらの出す推測や予測がより正しい答えを導きだすだろうか?
「みんなの意見」すなわち「集団の知恵」は、少数の秀才、天才、専門家の意見を凌駕する。
本書は、そんな法則を例を示しながら、紹介している。
アメリカで起こった、スペースシャトル墜落事故の原因を誰よりも早く察知したのは、専門家集団で構成される事故調査委員会ではなく、株式市場だったという。スペースシャトルに関わるのは、部品やエンジンの会社をはじめ数社に及ぶ。そして、事故直後ある会社の株価だけが急落したという。
しかし、事故後しばらくは墜落事故の原因は判明しなかった。スペースシャトルに関わる数社の株価は、一度は全体的に下落したものの、徐々に落ち着きを取り戻してきた。
そして、原因が判明する。それは、事故直後株価が急落した会社が作った部品が原因だったのだ。
このことから、株式市場に参加する不特定多数の人々が直感的にその会社の危険性を判断し株を売ったわけだ。
「集団の知恵」の驚異。
少し長いが、読んでみると面白い。